作家 司馬遼太郎は書物の中で
報恩
「はい、左様にさせて頂きます」「おかげさまで、元気にくらさせて頂いております」こんな語法は、江戸文学の会話にはなかったようである。明治の東京落語の速記にも出てこないのではないか。
私見で恐縮だが、北陸、東海、近江などの真宗地方の語法だと思っている。
如来に生かされて頂いている、仏恩のおかげで、先月も旅行させて頂いて、病気もせずに帰ってきた、というふうな気分から出ていて、如来とか仏恩とかが省略されているだけのことである。私は、この語法は、近江門徒が大阪の船場で大商人として形成されて行く過程で根づきひろまったのではないかと思っている。・・・・・・と述べている。
住職のご挨拶
お勤めされる住職・副住職
平成15年10月
法話される 利井 明弘師
私たちが何気なく使っている受身言葉 「生かされている」、「何々させていただく」など、
もともと浄土真宗で生まれた言葉、由来から本来の意味を各地方および作家の書物、
エピソードを交えながら楽しく明るく如来さまの本願のお力「他力」について詳しくご法話される。
(行信教校校長先生)