同 朋
「がたぴし」という言葉、『国語辞典』とは、
@ 造りが悪かったり、古くなったりした木造の家具、建具などの立てる音を
表わす語。
A 混雑したり、ぶつかり合ったりしてやかましく立てる音を表わす語。
B 人と人との関係、組織の管理、機械の整備などが、うまくいかないで円滑さを欠くさまを表わす語。
とありますが、もともとは仏教の言葉で、「我他彼此」と書きます。
もちつもたれつ、お互いがお互いの生命を支えあって、すべての生命は生かされ生きています。
最近、私は『宇宙からの帰還』という本を読んで感激しました。特に、ある宇宙飛行士の、「地球に、国境線はなかった」という言葉には心をうたれました。そうなんです。私たちは線のないところに、たくさん線を引いて我と他、彼と此と区別したり、差別しているのです。
「我他彼此」とは、お互いに生命をささえあって生かされつつ生きていることを忘れ、我と他、彼と此の間に一線を画して、生命を傷つけあい、さらに生命を殺しあっている迷いの相なのです。
一切の有情はみなもて世々生々の父母兄弟なり (歎異抄)
という交わりが私たちの間に回復されて、はじめて、すべての人が幸せに生きることのできる世界が実現するのです。
私たち、みんなみんな、「世々末々の父母兄弟」、同朋なのです。すべての人が幸せになる世界をめざしていっしょにいこや。